◆ 上咽頭癌とは? ◆
・発症場所・
鼻腔後方にあり、中咽頭へ続く上気道の一部。
顔面頭蓋骨の中央奥にあり、副鼻腔、頭蓋底に囲まれる。
周辺には内頚動脈、脳神経が存在する。
小児期にはアデノイドと言われるリンパ組織の隆起がみられる。
難しい表現ですね。。。私流に表現すると
喉と鼻腔が交差した場所。
口を開けた時、扁桃腺の奥に見えるのが《中咽頭》で
上咽頭はその上部。下部は下咽頭となります。
・詳細と原因・
台湾、中国南部、東南アジアなどに多く発生し、日本では
稀な病気です。現在日本で1年間の発生数は、約500例と推定。
男女比は3:1で男性に多く、40〜70歳代に多発。
ほとんどの場合《低分化型扁平上皮癌》で、次に多いのが
《悪性リンパ腫》です。
発症の原因には《エプスティン-バーウイルス》と言う
ウイルスが関与してるのではないか?との説もありますが
現在ははっきり原因が判っていません。
・エプスティン-バーウイルス・
1964年バーキットリンパ腫(BL)細胞中より
発見された、ヘルペス属のDNAウイルス。
悪性疾患としては、Burkittリンパ腫や上咽頭癌などのほかに
Hodgkin病、鼻リンパ腫(T cellor NKcell)、natural killer(NK)
白血病、一部の胃癌などとEBVが関連のある事が
次々に明らかにされつつある。
・症状・
初期は、ほとんどの場合、無症状。
腫瘍が大きくなると、耳管を狭窄するため、中耳炎のような症状や
片側の耳が塞がった感じ、軽度の難聴を自覚する。
腫瘍の表面から出血すると、鼻出血や痰に血が混じる事も。
さらに進行すると、鼻閉塞感を自覚。
頭蓋底から頭蓋内へ浸潤すると、頭痛・物が二重に見える
顔面痛・知覚の異常などが現れる。
また、高頻度で頸部リンパ節転移が起きるため、上記の症状が無く
頸部リンパ節の腫脹のみが《自覚症状》と言う事も多い。
・診断・
鼻腔からファイバースコープを挿入し、局所の観察が有効。
組織検査とともに、CT・MRI・超音波検査で、深部の広がり
リンパ節転移を検査する。
MRIでは、頭蓋底周辺の広がりなど、細かく知る事ができ
病気の進行具合を、的確に判断できる。
腫瘍の範囲により、原発部位・頸部リンパ節転移を、其々4段階に
分類し、2つを併せて4期(細分類は7期)に分ける。
・治療・
解剖学的に手術が困難な為、原則として《放射線療法》が有効。
進行癌の場合、放射線だけでは制御困難なため、抗がん剤を併用
するのが一般的治療となる。
早期癌の場合、60GY〜70GYの《根治的放射線療法》。
進行癌の場合、放射線+抗がん剤併用や、放射線の前後に
抗がん剤を数回投与する事もある。
・予後・
いわゆる「5年生存率」は
1期=90% 2〜3期=60〜80% 4期=40〜50%
進行癌は《遠隔転移》が多くみられ、局所再発などが
生存率に影響するものである。